10月18日(水)に行われたシドニー・パラリンピック開会式の翌日、19日(木)よりIDクラス男子バスケットボール競技が行われた。日本代表チームはオープニングゲームで'98年世界選手権大会の優勝チーム、スペインとの対戦を皮切りに、ポルトガル、ブラジル、オーストラリア、ギリシャの計5ヶ国と対戦した。エントリーの段階ではハンガリーの衆生が予定されていたが、急きょヨーロッパ選手権に出場した実績のあるロシアに変更された。
Aグループ:スペイン、ポルトガル、ブラジル、日本
Bグループポーランド、オーストラリア、ロシア、ギリシャ
10月19日(木)13:30〜 日本20−87スペイン
【選評】平均身長が191cmという大型チームに対する日本の攻撃はまったく歯がたたず、開始早々ターンオーバーの嵐。日本は4分間ノーゴールだったがキャプテン(4)栗原のジャンプシュートで初得点。8分過ぎに(11)津恵の連続シュートで6-21で15点差と大きく点差が開いた。スペインは日本のターンオーバーからの逆速攻に加え、オフェンスリバウンドで得点を重ねる。日本は(7)伊藤、(14)江黒を投入するがシュートが全く入らず逆速攻に持っていかれ前半は8−54で終了。後半(6)坂本と、(8)大森のセンター陣がペイントエリアで得点を重ね、ディフェンスもリズムに乗り始めたかのように見えた。しかし10分過ぎから得点が止まり、最終的には20−87と57点でシドニー初戦を敗退した。
【メモ】
前半
★フィールドゴール・パーセンテージ
日本12.5%

★リバウンド
スペイン65本
日本29本

★2ポイント成功率
日本13.8%
10月20日(金)14:30〜 日本17−122ポルトガル
【選評】1試合55本ものターンオーバーはバスケットでは驚異的な数字である。日本は(4)栗原13本、(5)田仲15本とガード陣がフロントコートまでボールを運べないという最悪の結果に終わってしまった。ポルトガルはチームとしての機動力はさほどなかったが、個人能力が非常に高く、ポジション的にもバランスの良い布陣だった。特に(6)RIBEIRO Jorge24得点、(14)LUZ Carlos25得点、24リバウンド、(15)MARTINS Ricardo32得点、11リバウンドとチーム得点の約7割がこの3人に集中。あまりの完敗に選手たちも気落ちし、チームとしての志気も下がりつつあった。メンタルドクターの宮崎伸一氏に相談して選手5名にカウンセリングを実施した。
【メモ】
★フィールドゴール
日本 11.4%

★リバウンド
ポルトガル 67本
日本 23本
10月22日(日)9:30〜 日本24−103ブラジル
【選評】ブラジルも個人能力の高い選手がいるチームだった。(14)SANCHES Jejerson42得点、(9)CUSTODIO Aiexander40得点、34リバウンドとこの2人がチーム得点の8割を占めた。日本はインサイドを守るディフェンスで、今大会の課題であるリバウンドを重視。しかし日本のディフェンスがアウトサイドの相手に反応するようになり、穴のあいたインサイドのスペースから得点を重ねられた。予選が終了した中で反省すべき点は多くあるが、日本の良い面も出始めた試合展開であった。このシドニーで世界大会初舞台の(11)津恵と(14)江黒も積極的に攻撃に参加して高い評価を得ている。この日は日本から観戦ツアーで訪れた人たちが会場に応援に来てくれた。夕食は久しぶりに隣町の韓国料理屋へ行って活力をつけた。
【メモ】
★リバウンド
ブラジル63本
日本24本
10月23日(月)14:15〜(5〜8位決定戦) 日本28−114オーストラリア
【選評】Aグループで3連敗し、5〜8位決定戦へ。オーストラリアは予想に反して1勝2敗で上位に進むことができず、'99年のアジア大会以来の対戦となる。日本はアジア大会から半分の選手を入れ替えて新生日本ナショナルチームとして対戦。一方オーストラリアは数名のメンバー変更でかなりの強化を図った様子。組織的なプレイが完成されつつあり、日本とはまた大きく溝を開けられてしまった試合展開となった。前半開始5分間は日本がノーゴール。(8)大森がペイントエリアでシュートを決めて12−2。10分過ぎに24−2まで点差を広げられた。その後(5)田仲の3ポイントが入り波に乗るかと思われたがミスの連続で思うように得点できず前半は51−10で終了。後半も同じような展開だったが、(6)坂本が本来の力を出して9得点、リバウンドを7本と大健闘したが、結果は28−114と大差で黒星を喫してしまった。
【メモ】
★ターンオーバー
日本46本
★リバウンド
オーストラリア 73本
日本 24本
10月24日(火)13:30〜(7〜8位決定戦) 日本51−112ギリシャ
【選評】日本は(4)栗原、(5)田仲、(6)坂本のベテラン勢が2ケタ得点で今までの試合の中でもバスケットらしい展開になった。前半10分までは好調な滑り出し。しかしその後ターンオーバー、シュートミス、ファウルトラブルが相次ぎ、前半は43−16で折り返す。終盤間際にようやくチームの歯車がかみ合い、組織的なプレイが出るようになった。ボールサイドからウイークサイドへの展開がスムーズにできるようになり、(5)田仲、(11)津恵、(14)江黒などのアウトサイドプレイヤーがノーマークでシュートが打てるようになった。また(8)大森、(9)八田、(13)守屋もスクリーンを正確にかけられるようになるなど、今まで繰り返し練習してきた成果が、国際大会の舞台で生かせたという大きな収穫を得た。結果的には0勝5敗の第8位ではあったが、日本ナショナルチームの選手たちは、胸を張りシドニーThe Domeのコートを去った。


BACK